”蝉”なのか”蝉さん”なのか・・・ Posted on 2009 年9月 by admin ”生き物”が大好きな子がいる。 昆虫も、魚も、もちろん犬も猫も、とにかく大好きという子がいる。 そんな子のある出来事・・・ 幼稚園の年長さんのAちゃんの夢は”獣医さん” そんなAちゃんに先日会ったところ右手に包帯が巻かれていた。 「どうしたの?」と聞くと「踏まれちゃったの」と驚きの答え。 誰に?どこで?なんで?と反射的に頭によぎったので、すぐに聞き返してみた。 「蝉さんがいたから・・・」 ・・・正直、ちんぷんかんぷんの返答だったのだが、詳しく聞くとすごい出来事。 今時期は”蝉”が地面に落ちているのをよく見かける。 時期も時期だけにラストスパートをかけて力尽きた蝉の亡き骸だ。 生きているかのような姿のまま転がる蝉も、ぺしゃんこに潰れている蝉もいる。 そんな蝉をAちゃんは拾っている時の事故だったのだ。 その蝉もおそらく死んでしまった蝉だったとは思うのだが、Aちゃんにとっては 生きている、死んでるということよりも、蝉が踏まれるという状況に反応した行動。 守ろうとしたAちゃんの気持ちがそうさせたのだと思う。 Aちゃんの手を踏んでしまったのは見知らぬおじさんだったらしく、現場は曲がり角 しゃがんでいたAちゃんも蝉も視界に入らずおきた事故だった。 当然ながらおじさんもAちゃんの手を踏むつもりはなかったはずだが Aちゃんが手を出さなかったら蝉はぺしゃんこになっていただろう。 亡き骸でも蝉を守ったAちゃんの勇気も、 不幸中の幸いですんだが危ない事故だった! ということも意識しなければならない出来事だと感じた。 そもそもなぜ蝉を集めていたのかと聞くと・・・「お墓を作るから」との答えが返ってきた。 私も蝉の亡き骸をわざわざ踏む!という行為は絶対にしないが、Aちゃんのような行動をとるかといえば・・・ 答えは「NO」だろう。 生き物=命に対する優先順位も価値感も人それぞれの考えがある。 たかが蝉・・・という見方もあるが、犬猫だったらとっさに”かばう行動”をとる人も増えると思う。 体温や呼吸を感じるからか、表情があるからなのか、姿形でなのか・・・? どこ基準で行動が別れるのかはわからないが、少なくともAちゃんは蝉も犬も猫も 他と変わらぬ命としての意識が高いのだろう。 チビッ子は生き物を”擬人化”して見ているのかな?なんて思うことが多々ある。 この蝉の出来事もAちゃんは”蝉”ではなく”蝉さん”として見ていたのかなぁ・・・なんて。 現実的なことを言えば”奥さん”を大切に!(笑)だが、擬人化眼鏡たるものがあるとすれば 大人の今の感覚のまま是非とものぞいてみたい。