2009.09.12 BLOG ”蝉”なのか”蝉さん”なのか・・・ ”生き物”が大好きな子がいる。 昆虫も、魚も、もちろん犬も猫も、とにかく大好きという子がいる。 そんな子のある出来事・・・ 幼稚園の年長さんのAちゃんの夢は”獣医さん” そんなAちゃんに先日会ったところ右手に包帯が巻かれていた。 「どうしたの?」と聞くと「踏まれちゃったの」と驚きの答え。 誰に?どこで?なんで?と反射的に頭によぎったので、すぐに聞き返してみた。 「蝉さんがいたから・・・」 ・・・正直、ちんぷんかんぷんの返答だったのだが、詳しく聞くとすごい出来事。 今時期は”蝉”が地面に落ちているのをよく見かける。 時期も時期だけにラストスパートをかけて力尽きた蝉の亡き骸だ。 生きているかのような姿のまま転がる蝉も、ぺしゃんこに潰れている蝉もいる。 そんな蝉をAちゃんは拾っている時の事故だったのだ。 その蝉もおそらく死んでしまった蝉だったとは思うのだが、Aちゃんにとっては 生きている、死んでるということよりも、蝉が踏まれるという状況に反応した行動。 守ろうとしたAちゃんの気持ちがそうさせたのだと思う。 Aちゃんの手を踏んでしまったのは見知らぬおじさんだったらしく、現場は曲がり角 しゃがんでいたAちゃんも蝉も視界に入らずおきた事故だった。 当然ながらおじさんもAちゃんの手を踏むつもりはなかったはずだが Aちゃんが手を出さなかったら蝉はぺしゃんこになっていただろう。 亡き骸でも蝉を守ったAちゃんの勇気も、 不幸中の幸いですんだが危ない事故だった! ということも意識しなければならない出来事だと感じた。 そもそもなぜ蝉を集めていたのかと聞くと・・・「お墓を作るから」との答えが返ってきた。 私も蝉の亡き骸をわざわざ踏む!という行為は絶対にしないが、Aちゃんのような行動をとるかといえば・・・ 答えは「NO」だろう。 生き物=命に対する優先順位も価値感も人それぞれの考えがある。 たかが蝉・・・という見方もあるが、犬猫だったらとっさに”かばう行動”をとる人も増えると思う。 体温や呼吸を感じるからか、表情があるからなのか、姿形でなのか・・・? どこ基準で行動が別れるのかはわからないが、少なくともAちゃんは蝉も犬も猫も 他と変わらぬ命としての意識が高いのだろう。 チビッ子は生き物を”擬人化”して見ているのかな?なんて思うことが多々ある。 この蝉の出来事もAちゃんは”蝉”ではなく”蝉さん”として見ていたのかなぁ・・・なんて。 現実的なことを言えば”奥さん”を大切に!(笑)だが、擬人化眼鏡たるものがあるとすれば 大人の今の感覚のまま是非とものぞいてみたい。 Share 前へ 一覧へ戻る 次へ